MVNO乱戦でソフトバンクが苦戦

ドコモ、KDDIがシェアを伸ばす一方、ソフトバンクが苦戦を強いられているようだ。
総務省のデータによると、2015年3月末時点でのグループ別シェアはドコモが42.4%、KDDIが28.6%、ソフトバンクが29%。ソフトバンクは前年同期比で0.7%もシェアを落としている。ドコモ、KDDIがそれぞれ0.3%、0.5%と数値を上げているのとは対照的だ。
こうした状況に対し、ソフトバンクの代表取締役社長兼CEOの孫正義氏が2月の決算説明会で「純増合戦ということで、みまもりケータイやフォトフレームなど、こまごましたものをたくさん売って数を稼ごうと言うことに力点を置いていた時期もあった。今は実態をよくしていく」と語っている。かつては純増数を追い求め、積極的に宣伝材料にもしていたソフトバンクだが、一転して中身を求めるようになったというわけだ。確かに、通信料がほとんど発生しない端末で純増数を伸ばしても経営にはプラスにならない。
一方で、KDDIはMNPで好調が続いていることをアピール。MNPについてはドコモもポートアウトを大きく減らしており、昨年度は38万件になった。三つ巴の関係でしわ寄せがいくのは残りの1社。以前に比べ、ソフトバンクが他社からユーザーを奪えなくなってきていることは確かだ。
もうひとつ、無視できないのがMVNOだ。これらの影響が大きく、シェアでは苦戦を強いられていると言えるだろう。実際、格安をうたうMVNOの契約者数はうなぎのぼりだ。現状では、ほとんどのMVNOがドコモの回線を使用しており、ある業界関係者によると「ドコモの純増数の約4割をMVNOが占める」ほどだという。SIMカードを使用し、独自の料金プランを提供する「独自サービス型SIM」は2015年3月末に326万契約。前年同期には173万契約で、153万契約と大幅な伸びを記録している。
最も、MVNOの拡大に関しては順調に業績を伸ばすKDDIも警戒心をのぞかせている。
以前は大手キャリアが三つ巴の戦いを繰り広げていたが、今の市場はMVNOも交えた乱戦の様相を露呈していると言えそうだ。ソフトバンクの今後の動向が注目される。