脳腫瘍リスク、高学歴ほど上昇?

大学教育を3年以上受けた人は、学校教育を9年以下で終えた人に比べてがん性脳腫瘍の発症リスクが高くなるとの研究結果が発表されたそうだ。しかし、その理由についてはまだ分かっていないという。
英ロンドン大学小児保健研究所の科学者のアマル・カノルカール氏は、「神経膠腫(グリオーマ)とされるリスクは、大学教育を受けた男性の方が19%高い」と述べる。女性の場合は同23%だったとのこと。
カノルカール氏は、AFPの取材に「これは説明が困難な、驚くべき結果だった」と語ったという。ただこの種の脳腫瘍はまれなため、実際のリスクの上昇はごくわずかとなるそうだ。教育水準が最も低い層でグリオーマ発症率は3000人に5人、一方で教育水準が最も高い層でも、同3000人に6人と報告されているという。
この差については、たとえどんなに小さくても実際に存在するのかどうか、そして実在する場合はその原因が何なのか、まだはっきりした答えは出ていないという。
調査では、それぞれ原因が異なる3種類の脳腫瘍が区別された。その結果、3種類の脳腫瘍すべてで、教育水準と腫瘍発生との間に強い関連が認められたそうだが、中でも致死率の高いグリオーマでこの関連性が最も強かったとのこと。
また興味深いことに、低所得のブルーカラー労働者と、肉体労働に従事しない高所得層の男女との間にも発症リスクのさらに大きな格差が認められたそうだ。
今回の研究では、高等教育と腫瘍との関連性についての説明や、喫煙や飲酒などの環境や生活習慣の要因による潜在的影響の考察は試みられなかったという。
学校教育を受けた年数に応じてリスク水準が上昇することについては、教育水準や所得が高い人ほど「症状に気づきやすい」というのが最も一般的な説明だとカノルカール氏は述べる。これは、そうした人ほど助けを求めて正確な診断を受ける可能性が高いことを意味するからだ。
だがこの説明は、明らかに富裕層に有利に働く医療制度を持つ国には当てはまるかもしれないが、スウェーデンの状況ではこの説明の説得力ははるかに弱くなると、研究チームは指摘する。なぜならスウェーデンには万人に共通の医療制度があり、誰もがほぼ平等に治療を受けることができるからだ。
そして、グリオーマの形成は多くの場合48時間以内と非常に急速で、耐えがたいほどの痛みを伴うため、「症状は回避できるものではなく、何もせず家にいて病院にかからないなどは不可能」であることも同様に指摘されたとのこと。
研究チームは今後、この研究をさらに進めるために民族性と脳腫瘍リスクとの間に存在し得る関連性に焦点を当て、診療情報データベースの最新版を詳細に調べる予定だという。カノルカール氏は、異なる地理的地域を出身地としながらも、特定の変異を多少なりとも共有する人々の基礎的な遺伝的多様性が、要因の一つになる可能性があることを認めているそうだ。
今回の研究を評論している専門家の一人は、「これに関連するかもしれない要因がさらに2つある。身長と、女性の場合のホルモン補充療法だ」とその他の考えられる要因を指摘した。「脳腫瘍のリスクは、大半のがんのリスクと同様に、身長が高い人ほど大きくなる。また、身長が高い人ほど裕福で教育水準が高い傾向にある」と指摘し、「ホルモン補充療法は脳腫瘍リスクを上昇させる。そして、この療法の利用状況は社会経済的集団によって差がある傾向がみられる」とその背景にあるものを説明した。
これが事実であれば、学校教育を受ける期間が短い方が良いということになるのだろうか?研究結果が具体的な数字で示されていないこともあり、何だが信憑性に欠ける気がする。